2024年3月のお知らせ
2月19日は、二十四節気のひとつ、「雨水(うすい)」でした。「雪が雨に変わり、氷が解けて水になる頃」と記されています。天と地に生気がみなぎり、春の優しい雨が降るたびに、閉じていた世界が開かれてきます。朝靄の空気の中から「春のかおり」が感じられました。
古代から人々は、太陽の動き、月の満ち欠け、星の動きとともに自然を観察しながら、「暦」を考え出しました。現在、3種類の「暦」が使われています。太陽の動きを基準に考案された「グレゴリオ暦(太陽暦)」は1年を365日、12カ月、1週間は7日、1日は24時間と定めています。ほとんどの国々で使用されている暦です。二つ目は、イスラーム文明の国々で、月の満ち欠けを基準に考案された「イスラーム暦(太陰暦)」。「新月」から始まり、満月から新月に戻る約29.5日をひと月と考えます。
紀元前4000年~3000年頃の古代中国の黄河流域では「太陰太陽暦」が生まれました。月の運行の周期(太陰暦)と太陽の運行の周期(太陽暦)を組み合わせ、暦と季節感との間に「違い」が生じないように工夫されました。特に、農耕民族にとって、種を蒔く時期・収穫・太陽の高さ・天候の変化などの予測は大切です。
今から130年前まで日本では、「二十四節気」を暦として生活していました。月の「満ち欠け」と汐の「干満」をよみながら、一年を二十四の節気に分け、自然の変化を「暮らしの節目」として生活してきました。中国の周時代(紀元前11世紀)から漢時代(紀元前2世紀)にかけて、儒学者が編纂した「礼記(らいき)」という書物の中に二十四節気の誕生が見られるそうです。この太陰太陽暦は遣唐使により日本に伝えられ、明治6年(1873年)まで使われていました。
明治維新を機に、急激な西欧文明や近代技術の導入により、「太陰太陽暦」の考えは日常生活において置き去りにされているようでした。しかし、多くの東南アジア諸国では、太陰太陽暦に基づいて「新年(春節)」のお祝いをします。「二十四節気」という考えは、人々が季節の空気を繊細に感じ、同時に自然を敬い親しんできた生活から生まれてきたと思います。カレンダーをめくるたびに、「今日の季節は?」と関心を持つようになりました。
3月のお休みは、9日(土曜日)・16日(土曜日)・20日(春分の日)・23日(土曜日)・そして日曜日です。
アフリカ大陸の赤道直下に位置する国「タンザニア」では「スワヒリ時間」という時間が日常生活で使われています。世界の標準時間よりも「6時間」遅い。例えば、お昼の12時の場合、スワヒリ時間は午前6時です。朝日が昇る「午前6時」を起点に、時間を数えるようになったからだそうです。タンザニアに住んでいる日本人の方が、電気の修理をお願いしたところ、約束時間よりも「6時間後」に来られたそうです(笑)。世界と異なる時の流れの「スワヒリ時間」を使って生活している人々が、少しうらやましくなりました。おからだ 大切になさってください。