2024年6月のお知らせ
会社の事務所には、星野富弘さんの詩画カレンダーを飾っています。20年ほど前に頂いたことが、「きっかけ」で、毎年、星野さんの詩画カレンダーを愛用しています。絵を見ながら、書かれている詩を読むと、心が和みます。5月は、ピンク色の「カタバミ」という花が描かれています。
桜は散ったけれど 今日も花見をした 道端で アリとハチも一緒に
酔っぱらいの蝶々🦋に絡まれたりして ハートの葉っぱ 何という花なんだろう 満開だ
星野富弘(1946-2024)さんは群馬県の生まれ。中学校の体育教師として、クラブ活動の器械体操の指導中に事故に遭い、肩から下の自由を失います。入院生活を送る星野さんの元に届いた手紙に、「お礼の手紙が書けたら」という思いから、ペン🖊を口にくわえました。最初は1本の線でさえ、書けませんでした。看護士さんの勧めから、横向きの姿勢で、顔の前にスケッチ・ブックを立ててもらい、ガーゼにくるんだペン🖊をくわえます、頭をずらすと「字」が書けました。初めて書いた「字」は「ア」です。そして、「花」に向き合いながら、「花の生きる力の奥深さ」に魅了されます。お礼の葉書には、「絵」が描かれるようになりました。
9年間の入院生活を終え、「あご」を動かすだけで操作できる「電動車椅子」が届きました。星野さんは、自分で散歩や移動ができるようになります。詩を書く時は、「言葉が自然に出るまで待つ」そうです。私は、星野さんの「詩」と詩の「文字の形」がすきです。あたたかく、おおらかな「字」です。2011年、丸亀市の「中津万象園」にて、「星野富弘 花の詩画展」が開催されました。来られていた方たちは、それぞれの想いで、詩画と対話している印象を受けました。
丸亀市の猪熊弦一郎美術館にて「ホノルル展」を見ました。丸亀市で生まれた猪熊弦一郎(1902-1993)は、1970年代にホノルルにアトリエを構え、ハワイの豊かな自然から創造力を得ました。偶然、10年以上お会いしていなかった知人に会いました。大学生だった子供さんとお父様を、数年間の看病のあと、気持ちの落ち着かない日々・・。ある日、「未来に向かって、歩まなければいけない」と思い美術館で働き始めました。平日は、お母さまをデイ・サービスに送り、土曜日と日曜日は、美術館で働いています。知人は「美術館の空間、そして絵画は私の心を癒してくれます」と言います。私は、あらためて、「絵画が人々に与える力、美術館が人々に与える力」に驚きました。
6月のお休みは1日(土曜日)・8日(土曜日)・15日(土曜日)・22日(土曜日)・そして日曜日です。
新緑の季節に、黄金色の麦畑が広がります。「麦秋」の季節です。星野富弘さんの「詩」です。
麦の穂 となりも 麦の穂
ぶつからず 離れすぎず
特に高いものもなく 特に低いものもなく
にてるけれど みんなちがう
麦の穂 太陽の弓矢
おからだ 大切になさってください。