石臼に関連して、何か面白いものがないかと探していると、ヒンズーミルというのがありました。ヒンズーというからには、当然インドで使用されていた臼です。かなり大きな臼で、牛に引かせ、それで穀物を挽くものです。ただ、インドでは牛は神聖なはずで、こんなことさせて良いのかという疑問も残ります。
人類が農耕を開始した頃は、まだ生産量も大したこともなく、当初は小さな臼を女性でも充分に挽くことができ、またそれで充分間に合いました。その後、生産量が増えるに連れ臼も大型化され、労働力は女性の奴隷、農奴、囚人などへと変わります。何れにしても臼を挽くのは単純労働なので大変です。囚人に挽かせるときには、木でできた輪っかを首にかぶせ、首から上が動けないようにし、つまみ食いを防止したとのことです。今なら大きな人権問題になるところです。
その後、当然ながらロバ、馬、牛、バッファローなどの大型動物に挽かせるようになりました。ただ同じ場所をぐるぐる廻るので、動物だって目が廻ります。だから中には馬に目隠しをして、挽かせていたこともあるそうです。何れにしても今からは想像もできない世界です。